RFKジュニアはアメリカ社会に「調和」をもたらす? トランプの予備選勝利とケネディ家の伝統
RFKジュニアはアメリカ社会に「調和」をもたらす? トランプの予備選勝利とケネディ家の伝統
トランプ氏の予備選での大勝利とRFKジュニア
トランプ氏がアイオア州・ニューハンプシャー州での2024年米国大統領選のスタートアップにおいて勝利を収めこの戦いの勝者が誰かを世界に示しつつある中 無所属のRFKジュニアは依然として注目されており支持率も高い水準を維持しています…以前の記事でRFKジュニアが2024大統領選の台風の目になると記述しましたが 巷ではトランプ氏のロケットスタートを受けて様々な憶測が流れています…トランプ氏は民主党をけん制するためRFKジュニアを取り込むかもしれない そして大統領に就任後RFKジュニアを副大統領にするかもしれないetc.
👉RFKジュニアはトランプ氏の「アメリカ第一主義」や「MAGA(アメリカを再び偉大に)」というスローガンには賛同していませんが一部の政策や主張には共感しているようです…
・国境の厳格化と移民の制限:RFKジュニアは現在の移民政策は非人道的であり国境を守れない国は国家とは言えないと述べています
・ワクチンの強制接種やパスポートの反対:RFKジュニアはワクチンの副作用や安全性に疑問を持ち自由な選択を尊重するべきだと主張しています
・メディアや巨大IT企業の権力の制限:RFKジュニアはメディアや巨大IT企業が情報を操作し反対派の声を封じることに反対しています
👉一方でRFKジュニアはトランプ氏と異なる考えを持っています
・環境保護と気候変動の対策:RFKジュニアは水質や気候変動に関する活動家として知られており「自由市場資本主義」を環境問題の解決策として提唱しています
・仮想通貨の推進と金融独占の打破:RFKジュニアは仮想通貨を伝統的なケネディ民主党の価値観に合わせて金融独占に挑戦し経済的自由を促進することを目指しています
・軍国主義とウォール街への懐疑:RFKジュニアは「民主党が戦争や企業利益のために道を踏み外している」と批判しています
👉RFKジュニアは反グローバリズムの立場と見られがちだが MMTはそうだとは思わない
※RFKジュニアはケネディ家の伝統的な考え方を尊重し(当然のことですが彼は彼の父RFKの功績について常々言及している)分断された社会の調和や多様性の受容を目指しながら腐敗した民主党については批判する立場を取り(民主党を離党し無所属で出馬)しかしトランプ氏MAGAの過激な改革に対しても警鐘を鳴らしている…かなり乱暴な言い方ではあるが保守とリベラルのハイブリッドを提唱し(両党への働きかけと国家としてひとつに団結する)分断されたアメリカ社会に「調和」をもたらそうとしている…RFKが他の民族にも寄り添い共通の課題(人種差別や貧困)に立ち向かったように…
INDEPENDENCE:
RFKはどんな人物だったのか…ケネディ家とは?
👉アイルランド系アメリカ人としてのケネディ家
ケネディ家はアイルランド系アメリカ人としてのアイデンティティを持ち政治的にも利用してきましたが他の民族や宗教との融和や協力を重視してきました…アイルランド系アメリカ人としての苦難を強調するより多様なアメリカ人としての共通点や目標を探ることに取り組んできたと言えます…
・JFKは1960年の大統領選でカトリック教徒としての信仰を問題にされたとき教会と国家の分離を明確にし自分はアメリカ人としての義務を優先すると述べました
・RFKは1968年の大統領選でアフリカ系アメリカ人やヒスパニック系アメリカ人の支持を得るために貧困や差別の解消に取り組みました
ケネディ家はアイルランド系アメリカ人としての迫害を経験した一方アメリカ社会において成功し権力と名声を得ることができました…アメリカ社会においてアフリカ系アメリカ人と比して有利な立場にあったと言えます
・JFKはアメリカ史上初のカトリック教徒の大統領でした(1960年当選 1961年~1963年米国大統領)
・RFKは司法長官や上院議員を務め大統領候補になりました
・RFKジュニアは弁護士として活躍し大統領選に出馬しています…
※ゆえにケネディ家およびアイルランド系アメリカ人は彼らが受けてきた迫害とアフリカ系アメリカ人の迫害を同列に扱うことには不快感を示している…
👉アイルランド系アメリカ人とアフリカ系アメリカ人
・アイルランド系アメリカ人は19世紀~20世紀に宗教や文化の違いから差別や偏見に直面しました(奴隷制度や人種隔離などの制度的な暴力に晒されたわけではありませんが)
・アフリカ系アメリカ人は奴隷制度の廃止後も公民権運動(キング牧師)などを通じて人種差別や社会的不平等に対抗してきました(今でも課題は多い…)
※RFKはアイルランド系アメリカ人と同様にアフリカ系の公民権運動への理解やアフリカ系・ヒスパニック系アメリカ人の人種隔離や貧困問題に取り組もうとしていました…RFKは大統領選でアイルランド系はもちろんアフリカ系・ヒスパニック系から絶大な支持を得ていたのです…
Robert F. Kennedy - America's Lost President | Free Documentary History:
Indianapolis, 1968: Bobby Kennedy, Martin Luther King and a historic call for peace:
→それに反して陰ではJFKとRFKがキング牧師の盗聴を許可したといわれていますが… ポリティコ: https://www.politico.com/news/2024/01/14/rfk-jr-defends-wiretap-mlk-00135543 このJFKとRFKの政治活動における最大の汚点についてRFKジュニアは度々二人を擁護する論理を展開している
👉ケネディ家が取り組んできたこと
様々な見解があるとは考えますがケネディ一族が取り組んできたこと…それは大雑把に言ってしまえばアメリカ社会におけるキリスト教宗派の問題と深刻な人種差別や貧困という課題を解決し(アイルランド系・アフリカ系・ヒスパニック系に仕事を与えるetc.)多様性を受け入れ公平な社会を実現する(これは民主党リベラルと一致している)ことだとMMTは見ています…これはケネディ家を理解しようとするとき最も有効な視点の一つとも言えます…
無所属で共和党トランプ氏・民主党バイデン氏に立ち向かうRFKジュニア
RFKジュニアは2024年の大統領選に出馬する際に民主党を離党し無所属で立候補することを表明しました 現在彼は環境保護やワクチンの安全性など自身の信念に基づいた政治活動を行っています トランプ氏が人々の2024年米国大統領選の結果予想に強烈なインパクトを与えている中 無頼派で異端であるが名門出身であり今後の支持者の伸びしろも予感させるRFKジュニアがどのように動きトランプ氏と民主党にどのような影響をもたらすのか そしてRFKジュニア自身が二大政党の狭間でその信念をどのような形で実現するのかがますます注目されます…
RFK Jr.: Americans Deserve Better:
RFK Jr.: How To End Agency Capture And Corruption Without Congress: